2019年 02月 27日 ( 1 )

言葉で治療する

先日、随分昔に購入した鎌田實医師が書かれた「言葉で治療する」という本を、
読み直していました。初版は2009年、週刊朝日で連載されたものをまとめたものです。
医療者の言葉によって救われたり、どん底に落とされたりした患者さんの実話を中心に、
重い病で苦しんでいる患者さんヘの言葉かけが、医療者にとってとれだけ大切なことか
ということが、今さらながら再確認できる一冊でした

文中に16世紀のフランスを代表する外科医パレの言葉が引用されていました。

「時に癒し、しばしば慰め、常に励ます」

また、患者さんの心に寄り添えない医学は医学でないと。

そして、言葉を大事にして、大事にして、大事にしながら、
最後に言葉を超えたところに、医療の魅力があると。

言葉での治療は精神科の専門用語ではムントテラピーと言います。
ムントは言葉、テラピーは癒しですね。
この本を読みながら、これまた昔々読んだユング心理学の日本での第一人者である
河合隼男先生と谷川俊太郎さんの対談「魂にメスはいらない」を思い出しました。
この話をすると長くなるのでまた・・・。

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先日、15年間毎週治療させていただいていた患者さんが89歳でお亡くなりになり、
お別れ会に参列させていただきました。
ゴルフが好きな、上品でスーツの似合う素敵なおじいちゃんでした。
鍼灸治療が効いたのか、15年間大きな病気もせず、最後3ヵ月ほど肺炎で入院し、
ご家族にお聞きしたところ、あっけなく旅立たれたそうです。
大往生ですね。

いつも治療に来られた時「前回、鍼された後はどうでしたか?」と聞いても、
「私は先生に会いに来てるんだよ」とそれしか答えてくれず、
鍼が効いたとは一言も言ってくれませんでした(笑)
治療家としては何とも複雑な気持ちになったものですが、
大病をされなかったことを考えると、それでも癒しにはなっていたのかなぁ・・・と。
もう少し長生きされると思っていたので、治療が至らなかったのかなぁという
私自身の反省もあります。

S.Oさん、長い間来てくださってありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。


by yurikak5 | 2019-02-27 19:19 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(0)

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