"漢方の実力、臨床力、癒し力"

6/9(土)に大阪国際会議場で行われた日本東洋医学会へ行ってきました。
この学会は東洋医学(漢方薬や鍼灸)を実際に臨床の場で行っている医師を中心とした学会ですが、参加は医療関係者だけでなく、一般の方でも聴講できます。発表者のほとんどは医師ですが、鍼灸師も発表できます。

10年前になりますが、仙台で開催された日本東洋医学会北辰会メンバーの発表があった時に、私も聴講に行きました。オプションで東北大学の附属薬用植物園に訪れたりして、楽しかったのを思い出します。

今回は北辰会の村井医師がご自身の症例二例と鍼灸の師匠である藤本蓮風先生の症例一例を発表されるということで、仕事を休診にして早朝から出かけました。

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カテゴリは悪性腫瘍。鍼灸や漢方薬を中心に使って、癌が治ったり症状が軽減された症例を数人の先生が発表されます。今回村井先生や師匠が発表した症例も奇跡のような治癒例の報告なのですが、他の先生方の発表も見事に悪性腫瘍を東洋医学を中心にして治されている症例がたくさんありました。


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中国や韓国では、東洋医学を扱う医師は中医師・韓医師という西洋医師とは別の免許が存在します。それは西洋医学の勉強を4年間してから、さらに2年間東洋医学の勉強をしないと取得できないそうです。そのくらい東洋医学の勉強は奥深く、難しいものです。

しかしながら日本では今のところ、そういった東洋医学専門の医師免許は存在しません。また医学部の授業でも東洋医学を学ぶ時間は少ないと聞きます。
ですので、こういった東洋医学を学ばれる医師のほとんどは卒業後独学または、こういった学会や専門学術団体に所属し、地道な勉強や修行を重ねておられます。


今回、10年ぶりに日本東洋医学会に参加してみて感じたのは、東洋医学への機運が高まっているのではないかということです。今回大阪という参加しやすい立地もあると思いますが参加されているドクターたちの生き生きと楽しそうな様子、また場内全体のパワーが満ち満ちていて、質疑応答からも東洋医学をもっと学んで患者さんを助けたいという医師の心意気を強く感じました。
その背景にはやはり、今年の1月にWHOで漢方薬や鍼灸が医学として認定されたという事実が後押ししているのではないかと思います。

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戦後、西洋医学が主流の日本。漢方や鍼灸で重い内科疾患が治ることもあるという事実はあまり知られていません。西洋医学の得意分野と東洋医学の得意分野は違い、西洋医学では治療ができない病でも、東洋医学では対応可能なことは多くみられます。また併用することで、それぞれの欠点を補いあうこともあり得ます。

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場内にはたくさんの書店や製薬会社がいっぱい。
試供品や勉強材料も頂けたりして、見て回るだけでも楽しい場所です^^


ある患者さんは言いました。
日本でもドイツなどのように(代替医療も含め)患者が好きな医療を選べるようにしてほしいと。
患者にとったら治るならどの医学でも構わないのだと。

今回の学会で楽しそうに東洋医学を語る医師の姿を目の当たりにし(ランチョンセミナーの「お灸で世界を変えることにした」という愛媛県立中央病院の山岡先生最高でした(笑)日本で東洋医師という免許が出来るのもそう遠くはないかもしれないと、とても嬉しくなりました。

これからも私は鍼灸師として、自分の身体と患者さんの身体を守るために、引き続き東洋医学の道を邁進していきたいと思った1日でした。



Commented by ジャスミン at 2018-06-15 17:18 x
この素晴らしい東洋医学、鍼灸が
もっとこの日本に広まることを切に願うばかりです!
Commented by yurikak5 at 2018-06-16 23:57
ジャスミン様
世論が変われば、動いていくと思いますよ。
by yurikak5 | 2018-06-13 23:19 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(2)

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