最近、何年かぶりに人間不信に陥ることがありました。
実害的にもですが、精神的なダメージも強くどうしようかと思いましたが、
治療家として心の乱れは仕事に差し障ります。
そんな折、あるツボに鍼をして少し心のしこりが和らぎ助かりましたが、
まだ日にちは要する感じです。
患者さんから耳にする心労の原因にも同じような事例をよく耳にします。
女性の精神的ストレスの原因のほとんどは、人間関係ではないかと思うほどです。
当たり前の事なのですが、この世の中は"信用"で成り立っています。
人それぞれ、価値観は違うと思いますが、
私は生きていくうえで、この"信用"より大切なものはないと思っています。
若いころ、その本当の意味が分かったとき、
色々あるけど人間社会も捨てたもんじゃないなぁと嬉しくなったものです。
しかし、その信用とはどうやって築くものでしょうか。
実はそれが一番時間がかかって難しく、コツコツと積み上げる他ないものです。
信用とは、簡単に言えば"約束"と言っても良いでしょう。
約束を果たせる人なのかどうか。
たとえ果たせなくても、そのための努力を惜しまない人なのか。
一世一代の決断をする、大きな仕事を頼まれ返事が必要な時、
決断するまでにそれが可能かどうか様々な事態を想定し、熟考し、最終決断を下します。
そしてその自分が出した答えに従って忠実に生きる、これが信念となり、
信念をもって生きる人間には信用が宿ります。
自分が出した答えを簡単に覆すような人物に信用は望めません。
人に信用され続けるということは、その信用に答え続ける度量が必要です。
ある程度社会的地位を得て生きておられる方々は、皆その信用の土台の上に成り立っています。
もし一度信用が傷つけば、それを取り戻すためには、その信用を作った以上の時間がかかります。
口先では何とでも言えます。出来る人ほど口数は少ないかもしれません。
いつも思うことですが人の信用とは言葉ではなく、
行動そのものでしか判断できないのだなと。
そうやって苦労して獲得した"信用"の向うに、素晴らしい世界が待っているのです。