日本における鍼灸の現状

日本で鍼灸施術を行える人  

医師
西洋医師の免許にも関わらず、医療行為として鍼灸治療を行い、漢方薬を扱える。
医学部(6年)卒業した後、国家資格医師免許取得。
しかし医学部では西洋医学中心であるため、鍼灸や漢方の授業はほとんどない。
故に医師免許を持っていても、鍼灸・漢方薬を学ぶには独学を必要とする。

鍼灸師
医業類似行為として鍼灸治療を行える。
専門学校や大学で3年~4年学び、卒業後に国家資格はり師きゅう師免許取得。
医療行為とみなされていないので保険の適用はなく、
医師の同意書があった場合のみ適用になる場合もあるが、
リウマチや五十肩、腰痛など整形外科的な6疾患に限られる。

明治政府による西洋医学を我が国の第一医学とする、という誤った改革のために、
それまで多くの偉業を残した漢方医でさえも、西洋医師より下の身分に虐げられる。
様々な病を治す術にも関わらず、鍼灸については医業類似行為という
名称に格下げされ、鍼灸師免許(当時は資格試験)として残る。
その後、鍼灸は暗い運命をたどることになるが、
数々の著名な鍼灸師により継承し続けられる。
その努力が実を結び、平成5年より国家資格となった。

中国では・・・
中医師のみが鍼灸施術ができる。
4年間西洋医学を学んだ後、2年間中医師になるための勉強(漢方薬や鍼灸)をし、
中医師の免許を取得する。

中医師しか鍼灸治療はできないため、鍼灸を受けるためには病院を受診せねばならず、
診断結果により必要であれば鍼灸科を受診する。

中国では西洋医学の手術なども含め、病院での治療はかなり高額であるため、
庶民にとって身近なものではない。
庶民はまず食養生や太極拳などで病を予防するようにし、
病になっても早めに薬局や市場で生薬を買い、初期に治すようにするが、
その方が経済的にも安くあがるからである。
広州では、コーヒースタンドのようなところで、
煎じ薬をペットボトルに入れて販売している店をよく見かけた。

「鍼灸院」というのは中国には存在しない。
日本では医業類似行為と成り下がった鍼灸であるが、案外そのおかげで
中国より庶民が気軽に受診できる環境にあるようだ。何とも皮肉なものである。
とはいえ医業類似行為といえども、一本の針は医療行為と同じ威力を持つ。
そのことを医師であろうと、鍼灸師であろうと、
鍼を持つ人間はしっかりと自覚しなければならない。

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                      広州の街角にて
Commented by green-field-souko at 2008-10-04 07:35
医療類似行為という語を、初めて知りました。
鍼はまだ未経験ですが、漢方薬のお世話になっていることもあって、
東洋医学を軽んじる発想や体制に、憤りのようなものを感じました。
なんじゃッ!そりゃ~ッ!!と。
↑勉強会での症例発表、がんばってくださいね♪^^ 草子
Commented by yurikak5 at 2008-10-04 20:09
草子様
言われて誤りに気付きました。
正確には「医業類似行為」です。すみません。意味は同じです。
まともな感覚ですと、憤りを感じます。昔よりは世間からの風当たりがましになりましたが、毎日が戦いのようです。
もともと、自分ちの医学ですのにね。
米の素晴らしさを今さら説くようなものですかね。

症例発表。これが終われば・・・♪と思って、頑張りまーす。

by yurikak5 | 2008-10-02 23:05 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(2)

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