回帰考
2008年 07月 12日
もともと頑健とは言えない私が、18才で体調を崩してからというもの、
自分自身を見失い、フラフラと彷徨い続けながら、
自分を治すために選んだこの仕事。
他にもやりたい仕事や夢はたくさんあったが、
どんな仕事でも体力がないとこなせないと思った。
患者さんを治すといいながらも、患者さんに注意することはすべて、
同時に自分にも言い聞かせてきた。
患者さんと一緒に悩み苦しみ、そこに自分を投影し、
患者さんを救うことで自分自身も救われてきたのだ。
そういった年月の中で、自分もずっと鍼灸を受け続け、
東洋医学の思想に日々学びながら、
私って体弱かったんですと言っても、誰も信じてもらえないくらい、
随分と元気な人間になってしまったのが、今も信じられない。
東洋医学には、先天の気(腎)・後天の気(脾)という考え方があって、
先天の気とは親からもらった気(生命力)、
後天の気とは生まれてからの生活や養生・東洋医学的治療などで養われる気。
先天の強さは皆生まれ持って違い、未熟児や障害児、病みやすいもの、
疲れやすい体質のものはどうしても先天が弱いといえる。
しかし、たとえ弱く生まれついても、食事、運動、鍼灸や漢方などで後天の気を養えば、
先天の気を二倍にまで強くできると言われているのだ。
この東洋医学独特の考え方は、本当に凄いことではないか?
先天の気が強く体の丈夫な人は、無茶をして体をいたわらず、短命になることも多い。
逆に体の弱いものの方が気をつけ、長生きすることも良くある話だ。
初老の患者さんとよくこんな会話をする。
「せんせ、長生きは結構ですわ」
私はいう。
「早よ死にたいんやったら、こんなとこ来たらあきませんやん。
長生きさせるような治療やのに」
するとまた言う。
「いや、病気やなかったら何歳でもいいですねん」
「そうでしょ、自分で何でもできて、人に迷惑かけんと生きれるんやったら、
90でも100でもいいでしょ」
「いやーそれでもそんなにいらんわぁ(笑)」
病気で長生きはしたくない。元気だったら何歳でも。
何もせずコロっと逝けるなんて、そんな虫のいい話あるわけがありません。
ならばいつか死ぬるその日まで、
健康でいられる生き方をしようではありませんか。
健康な人でも、事故などで短命な場合もあります。
結局のところ、寿命なんて神様しか知りません。
命あるかぎり、健康に生きたいという願いは
万人にあるものだと思います。
健康に感謝。
そして一人でも多くの人が健康で幸せな納得のいく人生を送れるよう、
おっしゃることが、しみじみと浸み込んできます。
わたしは先天の気が弱いのだから、後天の気を鍛えないといけませんね。
自分自身を腐らせないよう、ぼちぼち頑張ります。
雑穀ごはん、TB&リンクさせていただきました。
仰ること、分るような気がします。自分が先天のものか後天のものか、良くわかりませんが、どちらにしても過信は禁物ですよね。
でも上記のお年寄りのコメントも、分るなぁ・・・病気もせず、何でも自分で出来て、ボケもしないなら長生きしても良いんだけど・・・っていうところ。
本当に人間はワガママですね。。。何もかもうまく行くことなんてそんなにある筈無いのに・・・
さすが、草子様。飲み込みが早いですね!
そうそう、後天の気が大事です。元気になると、運が向いてきますからね。
ボチボチ頑張って下さい。
TB&リンクありがとうございました!
お料理はいつもバッチリですね。