認知症の鍼


昨年より介護付き住宅に入居した伯母の往診へ。
甲東園という宝塚に近い場所まで小一時間のドライブ。
このあたりはまだ用水路のような川があり、澄んでいて魚が泳いでいる。

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車に乗りだして2年半の身では、
お世辞にも上手いとは言えないレベルだが、
何とか目的地にたどり着けるようにはなってきた。

2号線を西へ、武庫川大橋から武庫川沿いに北上する緑の多い道は、
眺めがよく気持ちはいいけれど道幅が狭いわりに対向車も多く、
一部道の傍らには溝があるため、今でも脱輪しそうで怖くなってしまう。

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あるショックな出来事を境に、軽い認知症らしい症状が出てきてから、
倒れて腰椎を圧迫骨折し、一人暮らしは難しくなったため、
弟夫婦の近くのホームに入居。

今日は気分がいいのか、めずらしく部屋に入ると向こうから話しかけてきた。
部屋のテーブルには叔父さんの奥さんがいけてくれた庭のゼラニウム。
とてもいい香りがしている。


 伯母「なんでここで寝てんの知ってんの」

 私「前から知ってるよ」

 伯母「そうか」

 私「元気?」

 伯母「・・・」

 私「しんどいの?」
 
 伯母「うん」

 私「どこがしんどい?」

 伯母「・・・」

 私「ご飯美味しいか」

 伯母「美味しいよ(ニコッとして)」


私の名前を聞いても口にはできないのはわかっているので、もう聞きはしない。
でも私の存在は理解しているようだ。
今日は寝てばかりだった3月末より、数倍状態がいい。
トンチンカンな会話だけれど、これだけ会話が続くうえに、
10のうち1くらいはマトモな返事が返ってくるし。
おまけに「ジュース飲む?」と聞けば頷き、座って飲むという。
快挙だ、これは。

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最近、高齢化に伴い認知症が増えている。
以前テレビで見たユマニチュードという認知症へのケアは、
私の中ですごく記憶に残り、参考になった。
接し方一つで認知症が軽減するというものだ。
それと、母親の徘徊に一日中付き合うという娘さんを追ったドキュメンタリー。
あの根気強さと機転の効き方には、頭が下がる思いだった。


私には鍼がある。たまにしか出来ないが、効いていると思う。
伯母は開業から10年ほど、毎日のように鍼灸院に顔を覗かせ、
色々と手伝いをしてくれていた人。
60代で脳腫瘍の手術をしてから再発防止にずっと鍼は続けていた。

今日は左の後谿に10分。たったこれだけで顔色が変わる。
脈力はもともと強いし、反応も良い。
食欲は十分あるし、まだまだ回復の余地がありそうな気がする。


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また行ってあげようっと。(今日のご褒美キャラメルマキアート)




Commented by nmsan2008 at 2014-05-19 21:58 x
認知症を発症し、何かの拍子で骨折する、
そして動けなくなると認知症が悪化する、
そして、また骨折の危険性。
そういう悪循環、よくありますね。
そうならないように祈ってます。
認知症は長寿社会の必然的な症状ですね。
ベリーサ?でしたっけ?
快調に走ってますか?
Commented by yurikak5 at 2014-05-21 00:13
nmsan2008様
叔母も頑張ってたんですけど、圧迫骨折になって動けないと、
筋力がどんどん弱っていくんですよね。
老いからは逃げられませんけれど、少しでも長く人の助けを
借りず生きたいものですね。
車は快調なんですが、運転が下手で可哀想です(笑)
by yurikak5 | 2014-05-18 20:58 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(2)

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