少しずつ春

立春をすぎ、寒い中にも春の兆しが感じられます。

私たちの体ももれなく、変化してきて、
木の芽立ちの頃の特有の症状があらわれてきました。
脈も少しずつ弦脈(春の脈で少し緊張状態の脈)を帯びてきています。

春は気が上昇し、肝の病が増えます。
主に、頭が痛い、目の充血、花粉症のような症状など、
大方は頭や目など上半身に症状が出ますが、
体の弱りがきつい場合は、屈折して下半身に症状がでる場合もあります。

今日のある患者さんは、こんなことを言っていました。
「頭のてっぺんが、ポニーテールをほどいた時みたいな、変な感じなんです」
気が上って、百会のツボに気滞を生じているのですね。

体のひとつひとつの症状は、すべて意味があって起こっていることを
思い知らされます。

東洋医学は陰暦にしたがって変化する東洋人の体を、
つぶさに観察した医学なんですね。
だから東洋に住む人々にとって、なくてはならないものなのです。

先日の新聞記事によれば、
日本の子供の35%が花粉症だといいます。
末恐ろしいことです。
花粉症の治療は、東洋医学ではさほど難しいものではありません。
完治例もたくさんあります。
治療と共に、食事を正し、運動で鍛えれば、アレルギー疾患はかなり治ります。
そういったことに気付く人が、もっと増えれば、
この国の未来は明るいものになるかもしれません。

日本人の健康は、デフレ状態。
風邪をひけば薬、ウィルスは死んでも、副作用で体力低下、ぐずくず引きずる。
体が弱った状態が続けば、花粉症にもなる。そしてまたアレルギーの薬。
対症療法の副作用でまた免疫力落ち、深い病へと進展。
(東洋医学のバイブル「傷寒論」では、風邪を感受し、
進展し、死に至るまでの様子と治療法が、数千年前に体系化されている)
いいかげん、この悪循環を断ちきらないといけません。
国民が死ぬという事は、国が死ぬということです。
病の本質に気付く人が、一人でも多く増えますように。

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Commented by 雅美 at 2012-02-15 09:55 x
いつまでも寒いと思ってましたが、
昨日はいつもの格好がちょっと暑かったです。
いつの間にか木の芽時なんですね。

私ももれなく気が上昇しております。
左だけ調子が悪いというのが、体質が出てて面白いですね。

こんな状態になったと大騒ぎするだけでなく、
そんな季節なんだと鷹揚に構えようと
思考を方向転換できるのは、東洋医学のおかげです。
(なかなか転換できないことも多いですが……)
Commented by yurikak5 at 2012-02-16 00:44
雅美さま
外は寒くても、体の中の陽気が芽吹いてきているので、
熱く感じるのでしょうね。私も今日の服装は暑くて失敗でした。

左だけとか、右だけとか、前とか、後ろとか、
詳しく言えば空間的な考え方で、
師匠の本で「前後左右上下の法則」という
専門書が出版されています。
難しいですが、ご興味あったらお見せしますよ。

東洋医学の考え方を知ると、過度な心配がなくなると
よく言われますね。ありがたいことです。

by yurikak5 | 2012-02-15 00:19 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(2)

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