父の言葉

父が亡くなって8ヵ月になる。

あれから、まるで濁流に飲み込まれたかのような日々。
当時現役でもあり、存在の大きかった一家の大黒柱がなくなるということは、
周囲にこれだけの影響を及ぼすのかと、
その波に翻弄されそうになりながらも、なんとか踏ん張り続けての8ヵ月。
大変だったが、少しずつ穏やかな流れが戻ってきつつあるのが分かる。

そんな中、ふと思い出すのは父の言葉。
仕事ばかりで家族との会話もほとんどなかったが、
人が世のために働くということに対して、非常に厳しい父だった。

私が20代の頃、フラフラと彷徨いながら、やっと見つけた鍼灸の道。
しかし、鍼灸の道とて決して甘いものではない。
按摩マッサージやエステ、柔整などと併用せず、
鍼灸一本で生計を立てようと思ったら、
それはそれは大変なことなのである。

免許を取って3年目の時、一度だけこの仕事を辞めてしまいたくなったことがある。
腕も人間としても未熟な自分が、果たして病める人を治せるのか
自信がなくなってしまったのだ。

涙ながらに相談した、その時の父の言葉は意外だった。

「とにかく続けろ。仕事など何をしても同じや。
そして仕事は人のためにするのではない。
自分のためにするんや。自分のためにとにかく続けろ。」


その時私は、患者さんのために一生懸命頑張ろうとして、疲れてしまっていた。
また、父自身も会社のため、顧客のため、家族のために頑張っていると思っていた。
その父から出た、本音の言葉。

そうか、自分のために働くんだ。そう思うと肩の力が抜けた。
何でもいいから、とりあえず続けてみよう。

あれから15年。
自分も健康になり、人様の健康のお手伝いも出来ている。
自分のために一生懸命生きることは、結果的に他人のためになるのだと、
今ならよく分かる。

やっぱり続けていて良かった。
お父さん、ありがとう。

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Commented by たかこ at 2010-11-07 07:11 x
落ち着いて来られたとのこと、良かったです。継続は力なり。そして、どんな仕事であっても、その人にあったタスクが用意されているので、その人に見合ったチャレンジはありますね。それを乗り越えるには、やはり自分自身でいる事だと思います。
Commented by sophyhenry at 2010-11-07 17:17
お父様の言葉、心に響きますね。
日曜日に読んでよかったです、明日から仕事ですしね(^^)
Commented by あおいひつじ at 2010-11-07 18:07 x
こんばんわ。
「父の言葉」の日記は、とてもいいと思いました。
ときおり「なんで仕事してるんやろ?」と思う時がありますが、この言葉を思い出します。
Commented by nmsan2008 at 2010-11-07 19:44 x
この世の中に絶対的な価値基準はないと思います。
自分は、自分自身として生きていかねばなりません。
総理大臣だってホームレスだって、理由があってこの世に
誕生したと思います。
だから、みんな頑張って生き続けてほしいと思います。

先日、群馬県でいじめで小学生が自殺しましたが、
彼女の心の中を思うと心が痛みます。
この世界には、成仏できない魂がたくさんあるのでしょう。

yurika さんのお父さんは亡くなりましたが、魂は死んでないと思います。
お父さんの魂は、yurika さんの心の中に生き続けると思います。
Commented by 北のいとこ at 2010-11-08 19:52 x
自分に一番厳しく努力を怠らず、男の美学を体現されていた超カッコイイ方でした。ハンサムだったしね☆
一緒に過ごした時間は少なかったかもしれないけれど、お父さんの愛情や素適な言葉はこれからもyurikaちゃんの人生に寄り添ってくれると思います。
Commented by yurikak5 at 2010-11-08 21:46
たかこ様
ありがとうございます。
継続は力なり・・・本当にそう思いますね。
一筋に生きることの大事、忘れずに生きていこうと思います。
Commented by yurikak5 at 2010-11-08 21:46
sophyhenry様
そう言っていただけて嬉しいです^^
お互い、仕事頑張ろうね。
Commented by yurikak5 at 2010-11-08 21:48
あおいひつじ様
コメントありがとうございます。
どんな仕事でも、その人に与えられた使命があるのでしょう。
淡々と、日々精進したいものです。
Commented by yurikak5 at 2010-11-08 21:51
nmsan2008様
群馬の小学生の自殺は、私も心に突き刺さりました。
考えられませんね、こんな子供が。
日本は大分腐ってしまっているように思えてなりません。

心の中に、故人の魂は残るのですね。
そんな人間に私もなりたいです。
Commented by yurikak5 at 2010-11-08 21:57
北のいとこ様
嬉しいお言葉、ありがとうございます。
淡路のお墓の花が、いつ行っても枯れないそうです。
たくさんの人に慕われていたのだなと、
今さらながら思います。
父の言葉をかみしめながら、生きていきたいと思います。
Commented by 44しっぽ at 2010-11-08 23:22 x
お父様、ヨモギさんの最高の父親でいらっしゃったことが、
ひと言で胸に染み込んでくる、素晴らしい言葉ですね。

それは、お父様が人生で経験してこられた、
血と汗と涙の結晶のような言葉ですね、きっと、間違いなく。

それは、お父様から受け継がれたバトンですよ。
お父様の精神と魂は、しっかりとヨモギさんに内在されています。

その魂が息づいている限り、ヨモギさんは力強く人生を歩まれ、
患者様や周囲の方々は、そんなヨモギさんに生を受けるでしょう。
Commented by yurikak5 at 2010-11-09 22:57
44しっぽ様
ありがとうございます。
本当に、血尿が出るくらい頑張る父でした。
頑張りすぎて病気になってしまったのですね。

人は亡くなると美化されるというか(笑)
嫌なことは思い出さないものですね。
生きている間に、もっと感謝の心を
伝えてあげることができたら・・・と今になって思いますが、
なかなかできないものです。

生きることの基本を教えてくれた父の言う通り、
世のため、人のため、自分のために、
頑張りすぎず、生きていきます^^
by yurikak5 | 2010-11-07 01:40 | 雑記 | Comments(12)

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