どうも解せない。

最近、どう考えても解せないものがある。
それはいわゆる「精神安定剤」ってやつだ。
最近では若い子の雑誌にまで、不調があればすぐに
心療内科で薬をもらえと書いてあると聞くから驚く。

うちの治療院には精神科疾患の患者が結構多い。
とくに30代を中心に、老いては70代、年若きは中学生まで軽重様々、
もちろん皆、精神安定剤を飲んでいても良くならないから受診するわけだが、
長期間(一年以上)飲み続けて、すっかり元気になりましたなんて人に
お目にかかったことがない。

急性期、暴れて危害を及ぼすとか、自殺しそうとか、
短期間使用するのはやむを得ない時があるかもしれない。
また一年未満で薬をやめられた人であれば、さほど問題はなさそうである。
しかし長期間飲めば飲むほど、薬というのは効き目が悪くなり、
違う症状が出るからまた増やす、という悪循環に陥る。
その原因は、薬の副作用にあると思う。

例えば「パキシル」という抗うつ剤がある。軽いが依存しやすい薬だ。
この薬の副作用は次の通り。
「傾眠、めまい、頭痛、吐き気、口の渇き、便秘、疲労、倦怠、ほてり、無力症、不眠、振戦、神経過敏、感情鈍麻、緊張亢進、知覚減退、離人症、食欲不振、腹痛、嘔吐、下痢、消化不良、動悸、発疹、かゆみ、発汗、排尿困難、性機能異常、視力異常など」
重大な副作用「悪性症候群、肝機能障害、痙攣、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、錯乱、セトロニン症候群」
とある。(「くすりの辞典2008」成美堂出版より)

信じられない多さ。まるで病気を増やすために飲んでいるようだ。
特に、離人症とか無力症とか感情鈍麻とか、薬を言いつけどおり長期間飲み続けたあげく、
ひきこもりになったなんていうのは、ほとんど薬害と言えるのではないかとさえ思う。

先日も患者さんが、ある精神安定剤を飲んだ後にめまいが起こった。
どうやら飲まない方が調子よさそうである。
また西洋医学の検査で何も引っかからないのに不調を訴えれば、
とりあえず精神安定剤が出るという怖さ。
薬を飲めばその時だけ楽にはなるが、対症療法にすぎない。
「精神安定剤」は実は「精神固定剤」と言われている。
辛いことや悲しいことも麻痺して分からなくなるが、
感情鈍麻し楽しいことも分からなくなっていく。
笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら人間は生きていくものだ。
そうして、人生の山を乗り越えてこそ、心の筋肉がついていく。
長期間、薬に頼るのは気をつけなければならない。
しかし、もし薬の悪循環にハマってしまった場合、
脱出するためには、自分の意思と、周囲の支え、
また的確な東洋医学の治療をがあれば解決できることもある。

私も20代の頃、かなり精神が不安定だった。
その時に師匠が心経のツボ「神門」に鍼をしてくれ、嘘のように心が安定した。
そのツボは弱って、一円玉くらいの大きさに広がり凹んでいた。
(ツボというのは弱ると落とし穴のように凹むのです)
そういったツボに鍼を補法という手技で治療し、気を補い続けると凹みがなくなる。
そうすれば、その人の心は芯から強くなり、一度治るとそう簡単にもとに戻らない。
おまけに心身一如であるから、心だけでなく体調までどんどんよくなる。
不思議で素晴らしい、鍼灸治療の一例である。
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Commented by rabi8a at 2008-11-22 09:57
はじめまして。時々拝見していました。「ツボが広がってくぼむ」というお話、初めて聞きました。結局、いわゆる「ハリがなくなる」ってことなんでしょうか。
これからも有益で楽しいお話、楽しみにしています。
Commented by seechan2525 at 2008-11-22 11:01
精神安定剤で、ハッとしました
十数年前、あるお医者さんの処方で、ある薬を服用しておりました
凄く良く眠れるので、「せんせ、このお薬なんですか?」と聞いたところ
「精神安定剤です」と言われました
顎関節症の治療で、歯科医での処方でした
要するに、ストレスや欲求不満であごを痛めた、と言うような言われ方をして、
自分に精神安定剤が必要な状態だったのかと、愕然としました
そして確かに依存性があったような・・・
あー、なんだろ、何が言いたかったのか。。。
今は顎関節症も落ち着き、安定剤服用しなくても割と良く眠れます!
Commented by yurikak5 at 2008-11-22 20:04
rabi8a様
初めまして。多分草子さんとこからですね。
コメントありがとうございます。
ツボというのは専門用語では〇〇穴と言います。病気の初期はゴリゴリとしているのが、進んで虚証という段階に入ると、ベッコリと凹みます。弾力もなくて、張りもなくて。ブヨブヨした感じです。またそのうちツボのお話など書いてみますね。
Commented by yurikak5 at 2008-11-22 20:10
シー坊様
薬をもらったら飲む前にちゃんと確認して、変なのが出ていたら医師に聞かなければダメですよ!何でも最近は風邪がなかなか治らないだけで、安定剤出す医者もいるそうですから。いい加減にしろよって感じです。
顎関節症はほとんど肩こり、ストレスからなるので、そういう意味では当たっていたのかもしれませんが、薬は長期間服用せずやはり運動の方がいいですね。ウォーキング頑張って下さい!
Commented by green-field-souko at 2008-11-24 07:29
こんにちは。
親戚の中学生が服用しているんです。精神安定剤とやらを。
繊細で線がほそく、顔立ちの整った子なんですが、副作用だそうで
顔がむくんでぶくぶく別人みたいなときがあります。
薬品で無理に押さえ込んで。苦しそうで、それでもいつかは治るもの
なのかしら、と可哀相になります。
Commented by yurikak5 at 2008-11-24 13:59
草子さま
子供の場合は親の言うことをよく聞くいい子ちゃんに限って、病気になります。思春期は自分の生き方について、親や世間について疑問を持ち始める難しい時期です。
そんな時、もっとワガママに、自分の思う通り生きていいんだよって
世間的な価値観を外れて彼・彼女達の存在を認めてあげるだけで、
子供の心は楽になります。
私たちの頃は音楽や本やラジオなんかで救われたものですけど、
今はそこまで深刻になるのがまるで格好悪いかのようです。

先日もリストカットした女子中学生が、数回のわずかな鍼と話を聞いてあげたらすっかり元気になりました。
もし機会があったら、その子と色々な話をしてあげて下さいね。
きっと草子さんの価値観は役に立つと思います。
また土と触れ合うのも癒しになりますよ。

Commented at 2008-11-25 10:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rabi8a at 2008-11-25 10:46
そうそう、私も高校生の頃「肋間神経痛」に悩み、「精神安定剤」を処方されたことがあります。1日中眠く、それなのに眠れず、あまりの不快感に「胸が苦しいほうがまだまし」と思いました。
当の「肋間神経痛」はいつごろなぜ治ったのか思い出せませんが。
Commented by yurikak5 at 2008-11-25 21:44
鍵コメ様
本当にその通りですね!私も15年位、西洋薬は一切飲んでません。
Commented by yurikak5 at 2008-11-25 21:54
rabi8a様
えーっ?何だか安易ですよね。普通なら鎮痛剤だと思いますが。
症状より副作用の方が辛いって、笑っちゃいますよね。
私も抗生物質を飲むと胃炎になり、ご飯が食べれなくなります。
薬飲んで胃を荒らすより、飲まずにおいしいもの食べて寝る方が健康的だと思います。
by yurikak5 | 2008-11-21 22:53 | 東洋医学・鍼灸 | Comments(10)

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